おしらせ

  • 2023.07.06掲載:
    園だより【令和5年7月号】

6月末で70名余りの方々が保育者体験に参加いただきました。取り組みへのご理解とお忙しい中での日程の調整ありがとうございます。コロナ禍の3年を経て新たなかたちでの保育者体験は、私たち職員にとっても初めての挑戦です。「どのように…」というところで試行錯誤の連続で、それはこれからも続いていくものと捉えております。保育者体験後のアンケートから、たくさんの気付きや保育の改善点を頂いております。また「保育を体験して」のあたたかいお言葉を多数寄せて頂き、職員が何より安心し大きな励みとなっています。ありがとうございます。

ある日のことです。各部屋を回っていくと、お父さん先生の周りに子どもたちが「僕も、私も!」と集まっていて「楽しいことやろう」と話し合いが始まりました。さらにお部屋を回っていくと、Aさんから「園長先生helphelp!張り切って参加したのに、朝からずーっと私のお膝にすっぽり収まっちゃって、少しも離れてくれないんです~」Bさんは「お友達が私にアソボウって声を掛けてくれるんですけど、この子は全然その気になってくれなくてぇ~」「いつもこんな感じだと、どうしたらいいか、とっても心配なんですが・・・」と困り顔。

でも安心してください。このようなお子さんの姿は、想定内の真実の心の現れ。冷静に振り返ってみましょう。いつもなら、登園すれば送ってくださったご家族と否応なしにバイバイし、「この人に全てを委ねよう」と、小さな心に覚悟を持って保育者に身を委ねてくれる子どもたちです。それが保育者体験の今日だけは、なんとバイバイすることなく、一日ずうっとお父さん・お母さんと一緒なのですから、「もう離れないぞ」の心境は無理からぬことと受け止めております。このような時はどうぞお気兼ねなく、お子さんを優しく抱きしめてあげてください。「あなたが満足するまで、抱っこしていてあげるよ」の心意気で、お子さんの傍らで目に映るコトを感じて、「面白そうね。みんな何してるんだろうね。びっくりしちゃったね。○○ちゃんはどう思う?」等といっぱい声を掛けながら園生活をご覧いただければ十分です。対話を通してお子さん自身が安心感に包まれたなら、そのうちにお友達の輪の中へと進んでいくのではないでしょうか。お父さん・お母さんの存在はお子さんにとっては「心の安全基地」。不安な時はお父さん・お母さんにくっついて心の充電をたっぷりするのです。子どもの「育ち」を見つめる中で大事だと思うことは、ココロ寂しい時、ココロ折れた時、不安でたまらない時、思いが叶わない時、気持ちが落ち着かない時、そこから少しずつ少しずつ・・・立ち直っていく力、乗り越えていこうとする力です。どのように寄り添い、関わったらそうした力が身についていくのでしょうか。「日常の生活」や「夢中になって遊ぶ」中で、丁寧に育んでいきたいものです。お父さん・お母さんが自然体で保育者のように立ち振る舞ってくださる姿に感動しております。ご家庭とこども園の両輪で、豊かな心を育んで参りましょう。

 

※保育者体験…当園の保護者の皆さまを対象にした取り組みのひとつ。こども園の保育者として一日過ごしていただきます。こども園における集団生活、子どもたちの遊び・活動に参加していただき、園生活のありのままをご覧いただく機会となっています。