おしらせ

  • 2023.11.06掲載:
    園だより【令和5年11月号】

年長組のお部屋の教材に興味を持った年少さんが、ひょっこり年長さんの輪の中に加わっていたり、夕方になるとお兄ちゃんのお部屋できょうだい仲良く過ごしていることがあります。園庭ではクラスの枠を超えた仲間達が泥団子ころがしに熱中していたり、乳母車の周りには、優しいお姉ちゃんたちが寄り添っています。保育者を介さずとも、いつの間にか子ども同士の交流がひろがり、育ち合う姿に感動します。気が付けばもう11月。みんな確かに大きくなっている事が目に映る毎日です。

 

 

【保育者体験をはじめてみて】

5月から始めた保育者体験。あれこれ決まり事を設けず「まずははじめてみよう」の心意気でスタート致しました。保護者の皆様も積極的にご参加くださりありがとうございます。体験後に寄せてくださるアンケートには、あたたかいお言葉やご提案やエピソード等が綴られており、私たちもそこからたくさんの気付きや保育の仕事へのエネルギーを頂いております。

ある日のアンケートから・・・

「一日中子どもと走り回る事などなく、体力的に大変でしたが、子どもはすごくうれしそうで、その様子を見て参加してよかったと思いました。」

「普段どのように過ごしているか分かったので、『今日何したの?』と聞くときに、子どもにより共感したり、興味をもって聞くことができるようになりました。」

「友達との関りの中で、家では見せない子どもの一面を見て、感心したり驚いたりした一日でした。数時間ではなく一日中一緒だからこそ、見ることができた姿と思いました。」などお家の方々の我が子へ向けるまなざしの深さを感じます。

また「親がいる事で子どもにストレスがかかっている気がしました。」「どの子にも平等に関わろうと思っていたのですが、我が子に嫌な言葉を言われる場面があり、正直なところ困惑してしまいました」「複数の子どもさんに話しかけられた時の対応に困ってしまいました」「目の前で、玩具の取り合いやいじわるな事をしている場面で、どう言ったらよいのか、またどこまで関わったらよいのか、対応に困ってしまいました」など率直なお気持ちも寄せて頂きました。お家とは違って、このように大勢の子どもたちが、長い一日をみんなで一緒に生活しているリアルを体験され、困惑するのも無理からぬことと、うけとめております。

園生活の中でおきるこうした一コマ一コマは、子ども達が互いに関わり合うからこそ、社会性や学びに向かう芽を育むことができる、とてもとても重要な場面と私たち保育者は捉え、日々ひとり一人の気持ちに丁寧に向き合っていく努力をしています。

子ども達にとって、お家の人が一日中園内に居るという事をどう捉えているのか、と見渡した時、Aちゃん、Bちゃん、Cちゃん・・・様々な反応があることに気づかされます。どのような姿も、この子の「今この瞬間」のありのままの姿であります。嬉しくて張り切っている子もいれば、いつもとちょっと違う姿の子もいます。「今」の姿を出発点に、お子さんもお家の人も、そして仲間達もみんなが嬉しい一日になっていけるように!と願うのですが、さてどのようにしていったらよいのでしょうか。正解を追求するのではなく、あれやらこれやら、子どもの心の内側をさぐりさぐり、寄り添いたいものです。対応に困った時、迷った時、何して過ごそうか・・・様々そういう時は、保育者に気兼ねなくお声掛けください。担任と一緒にチームを組むような感じで、子どもの世界をご体験ください。これから保育者体験する皆様は、どうか前向きなお気持ちで、ワクワクしていてくださいね。

そして次年度に向けての夢を描いて参りたいと思っています。

 

園長 下原直美